私立中学校受験が近づくと、小学校を欠席して受験勉強に専念する受験生がいます。
当塾近隣の小学校でも、子どもたちの話を聞く限り、実際に欠席者が出ているようです。さらに、夏休み明け以降の学校行事についても、「受験が近いから」という理由で欠席する子どもがいると聞きます。
これらは、義務教育の根幹を揺るがしかねない問題です。さまざまなご意見があることは承知していますが、私は受験を理由に学校を休むべきではないと考えています。
学校の役割は、教科の学習を行うことだけではありません。
授業以外にも、学校行事、部活動、生徒会や委員会活動などを通して、子どもたちは社会性や協調性、責任感を身につけていきます。身の回りで起こる出来事や、人との関わりの中で得られる経験は、人格形成において欠かすことのできないものです。
学校生活には、学習塾では決して代替できない集団生活が数多くあります。だからこそ、小学校で過ごす日々は、子どもたちの成長にとって非常に重要なのです。
もちろん、私立中学受験は本人の意思によって選択されるものであり、受験する権利を行使している以上、小学校がそれを止めることはできません。しかし一方で、小学校に通うことは義務でもあります。
権利を主張するのであれば、同時に義務を果たす姿勢が求められるはずです。それが伴わなければ、単なる我儘になってしまいます。
志望校合格という一点に絞れば、学校を休んで受験勉強に集中した方が、結果が良くなる可能性は高まるでしょう。
「合格が最優先なのだから、受験に直接関係のない学習や活動は不要だ」という考え方も、確かに合理的ではあります。
しかし、そのような合理性だけで勉強してきた子どもたちは、将来どのような大人になっていくのでしょうか。
仮にトップ校に進学し、将来、社会において重要な役割を担う立場に就いたとしたら――
そのとき、他者への配慮や感謝の気持ちを持たず、自分の成果だけを優先する人間が増えていく社会を、私たちは本当に望んでいるのでしょうか。
私は、優秀な子どもだからこそ、学校行事に積極的に参加し、学校を休まずに学ぶべきだと思います。
そして、勉強が得意だからこそ、分からない子や困っている子に手を差し伸べられる人になってほしい。人に気遣い、感謝できる心を育んでほしいのです。
そうした人間こそが、将来の日本をより良い社会へと導いていく存在になると、私は信じています。
私たち学習塾は、目先の合格だけでなく、子どもたちの将来、そして日本の未来を見据えながら、子どもたちを育てていきたいと考えています。

