2025年12月12日

都立推薦入試を受けるためには覚悟が必要

東京都立高校の推薦入試に挑むためには、相応の覚悟が必要です。

推薦入試は、中学校の内申点、作文(小論文)、個人面接(または集団討論)の総合評価で合否が決まります。しかし、この面接を私立高校の単願推薦や併願優遇推薦と同じように考えることはできません。

私立の単願・併願優遇では内申基準が明確に定められており、それを満たした受験生だけが推薦を受けられるため、合格はほぼ確実です。中には推薦でも試験を課し、不合格者を出す学校もありますが、全体としては合格率は非常に高く、面接で落ちるケースはほとんどありません。当塾でも、こうした私立推薦に限れば合格率は100%です。

一方、都立高校の推薦入試には「基準」がありません。誰でも出願できるため受験者数が増え、定員を大きく超えることが一般的です。倍率は学校によって異なりますが、特に上位校では3倍〜4倍になることも珍しくありません。つまり、都立推薦はそもそも「受かりにくい制度」なのです。

もちろん、人気が高くない学校であれば推薦で合格しやすい場合もありますが、ここでは主に中堅〜上位校を想定して話を進めます。

■ 合格の鍵は「作文と個人面接の質をどこまで高められるか」

内申点はすでに確定していますから、対策できるのは作文と面接です。面接練習を行う際は、まず受験校を徹底的に調べ、志望理由を練り上げ、中学校生活の振り返りや高校での目標などを深く考える必要があります。

しかし、本番では何を聞かれるか分かりません。想定問答だけでは、予想外の質問に対応できないこともあります。だからこそ、

学校の理念・校風

自分が大切にしてきたこと

今後の高校生活の目標

将来の夢や目指す姿

こうした“自分の軸”を深く言語化しておく必要があるのです。

そのうえで、声の大きさ・抑揚・目線・姿勢など、表現面も含めて仕上げていきます。準備には相当の時間がかかることを覚悟してください。しかもその時期は、受験生にとって最も学力が伸びる1月にあたります。推薦を受けない生徒は、その時間を学力向上に充てることができます。

■ 「チャンスが2回ある」は本当か?

推薦を受ける生徒がよく言う「チャンスが2回ある」という言葉。しかし、それは何も犠牲がない場合にだけ成立する考え方です。

実際には、

推薦準備に多くの時間を取られる

試験日が2日間あり、その分の学習機会が失われる

試験後、6日間の発表待ち期間が続く

この間、「勉強に集中できる」受験生がどれほどいるでしょうか。

推薦に落ちた場合、準備期間と発表までの期間を合わせて、約2週間の“学習の空白”が生まれる危険があります。何も準備をせずに受けても、1週間程度は気持ちの面で影響が出ることが多いものです。

宝くじを買うとき、「どうせ当たらない」と思いながらもどこかで期待してしまうように、推薦もまた「ひょっとしたら受かるかも」という気持ちが生まれます。だからこそ、不合格の現実を受け止め、すぐに一般入試の勉強へ切り替える強い覚悟が必要なのです。

■ 推薦入試を受けるべきかどうかの判断

都立推薦には、数多くの覚悟が求められます。「試しに受けてみるか」「ダメでも一般があるから」といった軽い気持ちなら、むしろ受けない方が良いでしょう。

推薦で合格できる生徒は、一般入試でも合格できる可能性が高い生徒です。したがって、一般入試で不合格になった場合も、「推薦でも同じ結果だっただろう」と割り切ることができます。

しかし、逆に「推薦の方が受かりやすいタイプ」もいます。

受験校の推薦合格ラインを大きく上回る内申点を持つ生徒

偏差値が志望校に届いておらず、模試の結果も芳しくない生徒(=成績は良いが学力が伴っていないタイプ)

前者は一般でも十分合格が狙えます。推薦で落ちても、自信を持って一般に臨んでください。後者は一般では危険度が高いため、推薦での合格を強く目指すべきです。

中堅以下の都立高校では「チャンスは2回ある」という考えが成り立つ場合もありますが、上位校ではそう簡単にはいきません。

■ まとめ

都立推薦入試は、一般入試とは異なる“覚悟”が求められる試験です。受験生の皆さんには、推薦入試を受けるにせよ受けないにせよ、悔いのない受験をしてもらいたいと願います。
posted by 鈴木正之 at 00:00| ★出来事・行事 「いぶき学院の様子」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする